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倉庫の温湿度管理システム
物流倉庫や製品保管庫において、適切な温湿度を維持することは、荷物の品質を守るだけでなく、働く従業員の安全や建物の維持管理においても極めて重要です。特に広大な空間では、場所によって温湿度の差が生じやすく、従来の手動計測では限界があります。そこで導入が進んでいるのが、センサーとネットワークを活用した「温湿度管理システム」です。本記事では、温湿度管理システムの基本的な仕組みや機能をご紹介しつつ、導入によって得られるメリットや、自社の環境に合ったシステムの選び方について詳しく解説します。
倉庫の温湿度管理システム一覧
温湿度管理システム(ステルテック)
引用元:ステルルック公式HP
(https://www.stertec.co.jp/~ster/original/products/005.html)
機能
- ダッシュボード
- アラート通知
- ログ管理・CSV出力
- 危機管理・設定
特徴
月額不要の買い切り型オンプレミスIoTシステム。最大20台のセンサーをWEBダッシュボードで一括管理し、温度・湿度・気圧・CO₂・WBGTを一画面で同時監視できます。クラウド不要で社内ネットワーク内で完結するため、セキュリティポリシーに厳しい現場にも対応しやすい構成です。
料金
公式HPに記載なし
温湿度管理システム(Braveride)
引用元:Braveridge公式HP
(https://www.braveridge.com/product/archives/47)
特徴
LTEルーターがセットになっているため、無線LAN環境がない場所でもすぐに利用を開始できます。24時間365日、温湿度の異常をメール・LINEで自動通知し、記録はCSV形式でいつでも出力可能。電池寿命は約2年で、1台のルーターに最大8台のセンサーを接続でき、複数拠点のマルチセンシングにも対応します。
料金
- 初期費用:初期設定費用 15,180円(税込)
- 端末費用(温湿度センサー×4台、LTEルーター×1台) 54,780円(税込)
e-Platch(TOPPAN)
引用元:TOPPAN公式HP
(https://solution.toppan.co.jp/smartdevices/service/eplatch_warehouse.html)
特徴
LPWA規格「ZETA」を活用した無線通信により、電波が届きにくい広大な倉庫内でも死角なくネットワークを構築できます。既存の計測器にそのまま後付けでIoT化が可能で、温湿度・CO₂・照度に加え、漏液・騒音なども一括管理できます。専用アプリで複数拠点を遠隔から統合モニタリングし、点検作業の大幅な省力化を実現します。
料金
公式HPに記載なし
みえーるど(ユーピーアール)
引用元:ユーピーアール公式HP
(https://www.upr-net.co.jp/iot/remote_monitoring/mierudo/)
特徴
「おんどとり」ワイヤレスデータロガーを使ったIoT遠隔監視ソリューションです。LTE通信でクラウドに自動送信し、倉庫・工場・飲食店など複数拠点の温湿度データを一括管理できます。室温に加えて食品の中心温度計測にも対応し、HACCP対応やGDP対応もカバー。工事不要で手軽に導入でき、親機1台に最大20台のセンサーを接続可能です。
料金
公式HPに記載なし
蔵ノ助(SDCソリューションズ)
引用元:SDCソリューションズ公式HP
(https://www.sdcns.co.jp/product/enterprise/ep14.html)
特徴
JA農業倉庫向けに特化した保管管理システム。米麦・大豆の年産別・品種別・規格別管理に標準対応し、入出庫から保管料計算・請求書発行まで一元管理できます。オプションでタブレットを使った保管管理日報の作成やデジタル温湿度計のデータ自動取込にも対応し、現場のデジタル化を効率よく推進できます。
料金
公式HPに記載なし
倉庫温湿度管理システムとは
倉庫温湿度管理システムとは、広範なエリアの温度や湿度をセンサーで24時間自動測定し、データをリアルタイムで収集・記録する仕組みです。多くのシステムではIoT技術が活用されており、管理者は現場に赴くことなく、PCやスマートフォンからクラウド上のデータを確認できます。
単に数値を測るだけでなく、あらかじめ設定した範囲を超えた際にアラートを通知したり、帳票を自動作成したりする機能が備わっています。そのため、食品のHACCP(衛生管理基準)や医薬品のGDP(適正流通基準)といった厳しい管理基準が求められる現場でも、管理の正確性と業務の効率化を両立させる手段として重宝されています。
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温湿度管理システムと温度管理システムの違い
倉庫の環境管理を検討する際、温度に特化したシステムと温湿度の両方を管理するシステムで迷うケースがあります。それぞれの役割と特性を正しく把握しておくことが大切です。
計測対象と活用範囲の違い
温度管理システムは、その名の通り「温度」の監視に特化しています。主に冷蔵庫や冷凍庫、あるいは輸送中のトラックの荷台など、一定の温度帯を維持することが至上命題となる環境で活用されます。GPSと連携して位置情報と温度を同時に記録できるモデルもあり、配送管理に適した特性を持っています。
対して温湿度管理システムは、温度に加えて「湿度」を同時に計測します。システムによってはCO2濃度や気圧なども一元管理できるため、より多角的な環境把握が可能です。工場や大規模な倉庫、研究施設など、空気の質が品質に影響を与える空間で広く導入されています。
倉庫運営における湿度の重要性
倉庫において湿度を管理することは、製品の劣化を防ぐために不可欠な要素です。例えば、冬場の乾燥は静電気による精密機器の故障リスクを高め、夏場の高湿度はカビの発生や段ボールの強度低下を招きます。また、急激な温度変化に伴う「結露」の発生を抑止するためにも、湿度の正確な把握が欠かせません。
温度のみの管理では見落としがちなこうしたリスクを、温湿度管理システムであれば未然に検知できます。製品の品質維持だけでなく、建物の腐食防止や従業員の働く環境改善という観点からも、湿度の統合管理は倉庫運営において大きな利点となります。
倉庫に温湿度管理システムを導入する主なメリット
温湿度管理をシステム化することで、倉庫運営における多くの課題が解決に向かいます。
管理工数の削減とペーパーレス化
従来、広大な倉庫内を巡回して温湿度計を確認し、手書きの記録簿に記入していた作業がすべて自動化されます。測定漏れや記入ミスのリスクがなくなるだけでなく、管理担当者の工数を大幅に削減できるため、人手不足対策としても効果的です。
異常の早期発見による品質保護
夏場の急激な温度上昇や、梅雨時期の湿度上昇など、環境の異変をリアルタイムのアラートで通知します。不具合が発生する前に対策を講じることができるため、保管製品のダメージや廃棄ロスの削減につながります。
監査対応の強化と信頼性の向上
収集されたデータはデジタル化され、長期間保存が可能です。食品業界のHACCPや医薬品業界のGMP対応において、正確な記録は不可欠です。システムによる自動でデータを記録・保存できる仕組みは、監査時の報告資料作成を容易にし、取引先に対する信頼性の証明にも役立ちます。また、これらのデータは遠隔地からでも一括して確認できるため、複数拠点を構える企業にとって有効なツールとなります。
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システムの選び方で確認すべきポイント
倉庫の環境は多岐にわたるため、自社の現場に合致したシステムを選ぶことが重要です。
通信範囲と安定性の確認
倉庫内は荷棚や製品によって電波が遮られやすい環境です。広いエリアでも安定して通信できる長距離無線への対応や、中継器の設置が容易かを確認しましょう。電波の特性を理解して導入することが、安定運用の鍵となります。
位置情報管理との連携
倉庫の安全管理という観点では、温湿度だけでなく「誰がどこで作業しているか」を把握できるシステムも有効です。広い現場では、特定エリアの環境悪化を作業員に直接通知する仕組みがあると、より確実な安全確保が可能になります。
倉庫温湿度管理システムを導入する前に確認したいこと
倉庫温湿度管理システムを効果的に活用するには、機器の機能や価格だけでなく、保管する製品の特性や現場の運用方法に合わせて管理体制を整えることが大切です。導入前に管理基準やセンサーの配置、異常時の対応手順を具体的に決めておくことで、システムをより有効に活用できます。
保管する製品に合わせて管理基準を設定する
倉庫内で維持すべき温度や湿度は、保管する製品によって異なります。例えば、食品や医薬品では品質維持のために適切な保管条件が求められます。一方、電子部品や精密機器では、湿気による腐食や結露だけでなく、乾燥によって静電気が発生しやすくなることにも注意が必要です。また、紙製品や段ボールなどは、高湿度の環境で強度が低下する場合があります。
導入時には、製品の仕様書や保管条件、荷主との契約内容などを確認し、温度・湿度の上限と下限を設定しましょう。必要な条件は製品や業種によって異なるため、自社の保管環境に適した管理基準を設定することが重要です。あわせて、基準から外れた場合の対応手順やデータの保存期間も決めておくと、日常管理や監査への対応がスムーズになります。
倉庫内の温度分布を把握してセンサーを配置する
広い倉庫では、空調設備の周辺と奥まった保管エリア、出入口付近と建物の中央部などで、温度に差が生じることがあります。そのため、1台のセンサーだけでは、倉庫全体の環境を十分に把握できない場合があります。センサーを設置する際は、建物の構造や空調設備、荷物の配置、外気の影響などを考慮する必要があります。
導入前には、複数の地点や高さで温度を測定し、どの場所で温度が高くなりやすいか、あるいは低くなりやすいかを確認すると効果的です。医薬品の流通倉庫では、GDP(医薬品の適正流通)に関するガイドラインの解説書において、使用前の温度マッピングと、その結果に基づく温度監視機器の設置が示されています。倉庫内の温度分布を事前に把握することで、適切な監視場所を選定しやすくなります。
センサーの設置場所は、空調の吹き出しや直射日光などが測定値に与える影響を確認したうえで選定しましょう。また、棚の増設や空調設備の変更などで環境が変わった場合は、必要に応じて設置位置や測定方法を見直すことも大切です。
アラートの通知条件と異常時の対応手順を決める
倉庫温湿度管理システムのアラート機能を活用するには、異常を検知する条件と、通知を受けた後の対応手順を明確にしておく必要があります。管理基準の上限や下限を超えた場合の通知に加え、対応するシステムであれば、基準値に近づいた段階で注意喚起する設定も検討できます。通知条件は、保管する製品の特性や品質への影響を踏まえて決めましょう。
通知方法については、メールやスマートフォンへの通知に対応しているかを確認するとともに、担当者が不在の場合に備えた連絡先や対応責任者を決めておくことが重要です。夜間や休日にも異常が発生する可能性がある倉庫では、営業時間外の連絡体制も整備しましょう。
通知を受けた際は、測定値と発生時刻を確認し、現場の温湿度や空調設備の稼働状況を点検します。そのうえで、必要に応じて空調の調整や製品の移動などを行い、異常の原因と実施した対策を記録します。通信異常やセンサーの電池切れを通知する機能があるかも、選定時に確認しておくと安心です。異常の検知から対応、記録までの流れを整備することが、品質トラブルの防止につながります。
測定精度や記録データの信頼性も確認する
システムを長期的に運用するためには、センサーの測定精度やデータの保存方法にも注意が必要です。導入時には、測定可能な温度・湿度の範囲、測定精度、データの記録間隔などが、自社の管理基準に適しているかを確認しましょう。定期的な点検や校正の方法、電池式センサーの電池交換時期なども、安定した計測を維持するうえで重要です。医薬品など厳格な管理が求められる環境では、適用される指針や要求精度に応じた校正・記録管理が必要になります。
記録データについては、過去の推移の確認やCSV形式での出力、必要な期間の保存が可能かを確認すると、原因分析や報告資料の作成に役立ちます。さらに、データへのアクセス制限やバックアップの方法、通信障害が発生した際の対応手順も検討しておきましょう。クラウド型とオンプレミス型では、通信環境やセキュリティ、運用コストなどの条件が異なるため、自社の環境や管理方針に合ったシステムを選ぶことも大切です。
まとめ
倉庫の温湿度管理をIoT化することは、製品の品質を守るだけでなく、現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する一歩となります。手動管理から自動監視へと切り替えることで、リスクの早期発見と業務効率化を同時に実現可能です。
まずは自社の倉庫において、温度だけでなく湿度の管理も必要か、計測データの活用目的は何かを整理することから始めてみてください。
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