公開日:2025年11月18日
|更新日:
2026年9月17日
WBGT測定器(計測器)・センサー
熱中症対策システムには、WBGTセンサ(計測器)を活用したものやウェアラブルデバイスを用いるものなど、いくつかタイプがあります。
この記事では、WBGTセンサ(計測器)を活用した熱中症対策について解説。WBGT値(暑さ指数)の計算式 や、熱中症対策におけるWBGT値の必要性 、WBGT機能のある熱中症対策システムリスト などをまとめました。
WBGT測定器一覧
熱中症指標計 WBGT-302
引用元:ミドリ安全公式HP (https://ht.midori-sh.jp/custom_product/4076065600/)
機能
規格・精度 JIS B 7922 クラス1.5適合(高精度ハンディタイプ)
センサー仕様 黒球付(Φ30mm/高速応答)、センサー本体分離型
データ記録 最大30,000件のメモリー保存機能
保護等級 IP65(防水防塵仕様)、雨天時の屋外測定に対応
WBGT測定方式 実測値
クラウド対応 記載なし
通信方式 専用データ通信ケーブル
複数拠点管理 記載なし
アラート方法 回転灯、積層信号灯、シグナルホーン(いずれもオプション)
電源 単3アルカリ乾電池2本
費用 ・初期費用:本体43,780円(税込) ・月額費用:記載なし
導入サポート 記載なし
料金
特徴
ハンディタイプながらJIS適合・高精度クラス1.5に対応したWBGT計。Φ30㎜の小型黒球により応答速度が速く、センサー分離型で人体の影響を受けにくい構造。30,000件のデータ保存やIP65防水防塵に対応し、雨天屋外での使用やセルフメンテナンスも可能なモデルです。
黒球式暑さ指数計TC-350
引用元:タニタ公式HP (https://www.tanita.co.jp/product/business/hygrometer/19158/)
機能
規格・精度 JIS B 7922:2023 クラス2適合(電子式湿球黒球温度指数計)
センサー仕様 黒球式(輻射熱対応)、気温・湿度センサー内蔵
データ記録 IoT通信によるクラウド保存(複数拠点のデータを一括リアルタイム管理)
保護等級 IP66(高い防塵・防水性能)、屋外への常設設置に対応
WBGT測定方式 実測値
クラウド対応 〇
通信方式 LTE Cat.M1
複数拠点管理 〇
アラート方法 管理サイト上の色表示
電源 3.6V DC塩化チオニルリチウム電池(専用組電池)
費用 記載なし
導入サポート ・設置:取り付けプレート・結束バンド付属。本体を設置するだけで利用可能 ・設定:管理サイト契約後、ログインIDとパスワードを発行 ・保守:保証期間1年。その他の保守対応範囲は記載なし
料金
特徴
IoT専用の黒球式暑さ指数計で、測定したWBGT・温度・湿度をリアルタイムでクラウドに送信。専用管理サイト「Thermoyed」からブラウザで複数拠点のデータを一括確認できます。IP66防水防塵対応で屋外設置にも対応し、モバイル通信内蔵で設置するだけで利用可能なモデルです。
ポータブル型大形WBGT表示器
引用元:鶴賀電機公式HP (https://www.tsuruga.co.jp/products/wbgt_405e)
機能
規格・精度 JIS B 7922:2023 クラス1.5準拠(高精度大形タイプ)
センサー仕様 Φ75mm銅製黒球、温湿度センサー(ラジエーションシールド収納)
データ記録 標準は表示メイン(オプションでLPWA通信による遠隔管理に対応可能)
保護等級 降雨下での使用可能(屋外・屋内両用設計)
WBGT測定方式 実測値
クラウド対応 記載なし
通信方式 LPWA対応可能
複数拠点管理 記載なし
アラート方法 記載なし
電源 AC100V(4.8mの電源ケーブル付き)
費用 記載なし
導入サポート 記載なし
料金
特徴
JIS B 7922:2023クラス1.5準拠のポータブル型大形WBGT表示器。Φ75mm黒球を採用しつつ軽量コンパクトな設計で、持ち運びや仮設使用にも対応。大形LED表示により暗所や夜間作業での視認性も確保し、屋内外問わず設置できるモデルです。
サトテック JIS準拠熱中症指数モニター
引用元:サトテック公式HP (https://satosokuteiki.com/item/detail/5600)
機能
規格・精度 JIS B 7922 クラス2準拠
センサー仕様 Φ75mm真ちゅう製黒球、温湿度センサー(屋内/屋外切替可)
データ記録 SDカードへの自動記録(Excel形式保存)、手動記録(99点)
保護等級 屋内・屋外測定に対応(※防水規格の明記なし、三脚取付推奨)
WBGT測定方式 実測値
クラウド対応 記載なし
通信方式 RS232、USB、SDカード
複数拠点管理 記載なし
アラート方法 ビープ音、画面の点滅表示
電源 単3形乾電池6本
費用 ・初期費用:本体39,600円(税込) ・三脚付きセット:49,500円(税込) ・月額費用:記載なし
導入サポート 記載なし
料金
特徴
JIS B 7922クラス2準拠のハンディ型WBGT計。SDカードへのデータ自動記録に対応し、ExcelファイルでのPC管理も可能。緑色バックライト付き大型液晶で視認性を確保し、WBGT値のアラーム機能や屋内外両対応など、現場での継続的な環境管理に活用できるモデルです。
熱中症指標計 WBGT-213A
引用元:アクティオ公式HP (https://www.aktio.co.jp/products/model/s/50225/)
機能
規格・精度 JIS B 7922 適合
センサー仕様 黒球付(ハンディタイプ)、気温・相対湿度・輻射温度の切替表示
データ記録 記録機能なし(リアルタイム表示のみ)
保護等級 記載なし
WBGT測定方式 実測値
クラウド対応 記載なし
通信方式 記載なし
複数拠点管理 記載なし
アラート方法 記載なし
電源 単4形乾電池2本
費用 記載なし
導入サポート 記載なし
料金
特徴
JIS B 7922適合のハンディタイプWBGT測定器。WBGT値・気温・相対湿度・輻射温度を切替表示でき、単4電池2本で約800時間の長時間使用が可能。質量115gと軽量コンパクトな設計で、建設機械レンタル会社アクティオからレンタルで利用できるモデルです。
熱中症暑さ指数計 SK-170GT
引用元:佐藤計量器製作所公式HP (https://shop.sksato.co.jp/8312-00)
機能
規格・精度 JIS B 7922:2023 クラス2適合
センサー仕様 Φ60mm銅製黒球、温湿度一体型ハンディタイプ
データ記録 本体メモリーなし(リアルタイム表示・PC送信が主)
保護等級 オプションで輻射熱保護パーツ等の追加が可能
WBGT測定方式 実測値
クラウド対応 記載なし
通信方式 RS-232C
複数拠点管理 記載なし
アラート方法 ブザー音
電源 9V形電池1個
費用 ・初期費用:本体30,800円(税込) ・月額費用:記載なし
導入サポート 設定:操作・設定方法の紹介動画、取扱説明書あり
料金
特徴
JIS B 7922:2023クラス2適合のハンディ型WBGT計。WBGT指数・温度・黒球温度・湿度を表示し、日射あり・なしの測定環境切替や風速補正機能を搭載。アラーム機能やRS-232C通信にも対応し、スポーツ・労働環境など幅広い用途で活用できるモデルです。
熱中症対策WBGT計測器
引用元:KEIYO公式HP (https://shop.keiyoeng.co.jp/items/112795007?srsltid=AfmBOooWZlmmrNGPwly7MjAsJdRC5oAf17ErQ7LI3blMpROmfYRYIl4-)
機能
規格・精度 JIS B 7922:2023 クラス2準拠
センサー仕様 黒球付き(輻射熱対応)、屋内(IN)/屋外(OUT)モード切替
データ記録 保存機能なし(リアルタイム表示)
保護等級 記載なし
WBGT測定方式 実測値
クラウド対応 記載なし
通信方式 記載なし
複数拠点管理 アラーム音
アラート方法 単4形乾電池2本
電源 コンセント、電池、ソーラーなど
費用 本体6,980円(税込)
導入サポート 記載なし
料金
特徴
JIS B 7922:2023クラス2準拠のWBGT計測器。温度・湿度・黒球温度の3要素から暑さ指数を算出し、屋内外の切替にも対応。危険レベルではアラームとランプで通知する機能を備え、コンパクトな設計で持ち運びやすいモデルです。
黒球付マルチ熱中症計 HO-2402
引用元:ランドアート公式HP (https://www.land-art.co.jp/products/detail.php?product_id=61436)
機能
規格・精度 JIS B 7922 クラス2 準拠
センサー仕様 黒球付(輻射熱対応)、10分ごとの自動計測(気温・湿度・輻射熱)
データ記録 記載なし
保護等級 記載なし
WBGT測定方式 実測値
クラウド対応 記載なし
通信方式 記載なし
複数拠点管理 記載なし
アラート方法 ランプの色・点滅
電源 単3形乾電池2本
費用 記載なし
導入サポート 記載なし
料金
特徴
JIS B 7922クラス2準拠の黒球付きマルチ熱中症計。気温・湿度・輻射熱を10分ごとに自動計測し、熱中症の危険性を5段階のランプの色と点滅で表示。付属のアタッチメントで壁面やコーンへの取り付けにも対応したモデルです。
WBGT計測システム CJB-WBGT1
引用元:クリマテック公式HP (https://www.weather.jp/products/health/cjb-wbgt1/)
機能
規格・精度 JIS Z 8504準拠(150mm大型黒球採用の本格観測仕様)
センサー仕様 150mm大型黒球、高精度温湿度センサー、日除けシェルター
データ記録 200万データ保存可能(高性能データロガー C-CR1000Xe搭載)
保護等級 屋外仕様
WBGT測定方式 推定値
クラウド対応 記載なし
通信方式 記載なし
複数拠点管理 記載なし
アラート方法 記載なし
電源 電池
費用 記載なし
導入サポート設定 利用環境や要望に合わせた計測システムを個別提案
料金
特徴
長期観測に対応したWBGT計測システムと、ハンディ型の熱中症指標計の2タイプを展開。屋外での連続計測が難しい黒球温度・湿球温度を気象観測データから算出する構成で、学校・スポーツ・屋外労働など幅広い用途の熱中症対策に活用できるシステムです。
黒球付き熱中症指数計 AD-5698B
引用元:エー・アンド・デイ公式HP (https://www.aandd.co.jp/products/electronic/hygrothermograph/wbgt_monitor/ad5698b/)
機能
規格・精度 JIS B 7922:2023 クラス2適合
センサー仕様 Φ40mm全球形黒球(耐熱ABS)、屋内(IN)/屋外(OUT)モード切替
データ記録 なし(リアルタイム表示)
保護等級 記載なし
WBGT測定方式 実測値
クラウド対応 記載なし
通信方式 記載なし
複数拠点管理 記載なし
アラート方法 アラームブザー・画面上の危険度ランク表示
電源 単4形アルカリ乾電池2本
費用 ・初期費用:本体6,600円(税込) ・月額費用:記載なし
導入サポート 保守:校正・修理サービスあり
料金
特徴
JIS B 7922:2023クラス2適合の黒球付きWBGT計。直径40mmの全球形黒球を採用し、WBGT・温度・湿度・黒球温度を表示。危険度ランクの視認性に配慮した独自表示方式を採用し、ベルトや三脚での固定にも対応した約90gの軽量モデルです。
WBGT特化型環境表示器 TK0240
引用元:ティオック公式HP (https://tiock.co.jp/tk-0240/)
機能
規格・精度 JIS B 7922:2023 クラス1.5 準拠(高精度表示器タイプ)
センサー仕様 気温湿度WBGTセンサー(分離型)、屋内/屋外モード切替対応
データ記録 オプション(GPS RW BOX)によりSDカードへ保存可能
保護等級 屋内外両用(単管クランプ等で支柱に設置可能)
WBGT測定方式 実測値
クラウド対応 記載なし
通信方式 記載なし
複数拠点管理 記載なし
アラート方法 本体表示、回転灯(オプション)
電源 AC100V
費用 記載なし
導入サポート 記載なし
料金
特徴
JIS B 7922:2023クラス1.5準拠のWBGT特化型環境表示器。WBGT値・気温・湿度を同時表示し、熱中症危険度を4段階でお知らせ。屋内外切替スイッチ付きで、回転灯や電光盤との連動、データ保存、ソーラー駆動などオプションによる拡張にも対応したモデルです。
熱中症対策・監視システム 28製品を比較
WBGT測定器とは
WBGT測定器とは、WBGT値を計測する機器 のことです。 WBGTは「Wet Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)」の略称で、気温・湿度・輻射熱から算出される暑さの指数 。下記3種類の測定値をもとに算出されます。
・黒球温度…黒色に塗装された薄い銅板の球の中心に、温度計を入れて観測。弱風時の日向における体感温度と相関があります。 ・湿球温度…温度計の球部に水で湿ったガーゼを巻いて観測。皮膚の汗が蒸発する際に感じる涼しさ度合いを表わします。 ・乾球温度…通常の温度計を使い気温を観測。
クラウド対応WBGT測定器のメリットと選び方
熱中症対策を効率的かつ確実に行うために、IoT通信を利用したクラウド対応WBGT測定器 の導入を検討する企業が増えています。ここでは、一般的な測定器との違いや具体的なメリット、そして自社の現場環境に合った製品を選ぶための基準について詳しく解説します。
一般的なWBGT測定器とクラウド型との違い
一般的なWBGT測定器とクラウド型測定器の決定的な違いは、データの収集から記録までのプロセスが自動化されているかどうか という点にあります。一般的な測定器(現場での目視確認が中心の携帯型や、単独で設置する据え置き型)の場合、担当者が定期的に現場を巡回して数値を読み取り、手書きやパソコン入力で記録を書き写す必要があります。 一方、IoT対応のクラウド型WBGTセンサーを導入した場合、測定されたデータはインターネット通信を利用して自動的にサーバーへ送信されます。これにより、担当者が現場を回って数値を書き写す手間がなくなり、管理業務の大幅な省力化が実現できる点 が最大の違いであり、メリットと言えます。
クラウドで管理できる主な項目
クラウド対応のWBGT測定器では、熱中症の危険度を示すWBGT値(暑さ指数) をはじめ、気温、湿度、輻射熱(黒球温度) などの測定データをクラウド上で一元管理することができます。現場に設置されたセンサーがこれらの数値をリアルタイムで取得し、ネットワーク経由でクラウドサーバーへ送信するため、管理者は事務所のパソコンやスマートフォンからいつでも最新の状況を確認することができます。単なる気温だけでなく、実際の作業環境に近い総合的な指標をデータとして把握できるのが特長です。
クラウド対応WBGT測定器でできること(メリット)
クラウド対応のWBGT測定器を導入することで、現場の安全管理業務はどのように変わるのでしょうか。ここでは、クラウド管理ならではの具体的なメリットや活用方法 について、いくつかの視点から詳しく解説します。
離れた場所からWBGTを確認できる
クラウド対応WBGT測定器の大きな利便性は、管理者が現場にいなくても、事務所のパソコンや出先でのスマートフォンから現在のWBGT値をリアルタイムで確認できること です。測定データは自動的にクラウドへ送信されるため、いちいち現場に足を運んで測定器の画面を目視する必要がありません。これにより、本社にいながら遠方の現場の状況を把握したり、外出中の担当者がスマートフォンでチェックしたりと、場所を問わず柔軟に現場の熱中症リスクを監視することが可能になります。
複数の工場・倉庫・現場を一元管理できる
複数の拠点を持つ企業や、広大な敷地を持つ工場などで熱中症対策を行う場合、クラウド対応測定器ならすべての現場の状況を一つの管理画面でまとめて一元管理できる という大きなメリットがあります。倉庫のように場所によって温度や湿度が変わりやすい環境でも、複数の測定ポイントにセンサーを設置すれば、一括して状況を把握できます。従来のように拠点ごとに数値を個別に確認する手間が省け、全体の熱中症リスクを俯瞰して管理できるため、広域な現場管理において非常に効果的です。
危険値に達したときに管理者へ通知できる
熱中症事故を未然に防ぐためには、状況の悪化にいち早く気づくことが重要です。クラウド対応測定器の中には、WBGT値があらかじめ設定した「警戒値」や「危険値」を超えた際に、メールやアプリの通知機能を使って管理者へ自動的にアラートを届ける機能 を備えたものがあります。例えば、「厳重警戒」や「危険」の数値に達した状態が続くと指定した間隔でメールが送信されるよう設定できます。これにより、暑さが厳しくなる前に作業員へ休憩を促したり、水分補給を指示したりといった迅速な対応が可能になります。
測定結果を自動保存して記録を残せる
日々の安全衛生管理において、測定データを確実に記録し保管することは非常に重要です。クラウド対応測定器を利用すれば、毎日の測定結果がクラウド上に自動で保存され、継続的なログとして蓄積 されます。担当者が手作業で数値を記録する手間や転記ミスを防げるだけでなく、蓄積されたデータをCSV形式等で出力し、労働安全衛生の証跡や報告書作成にそのまま活用することができます。法的な対応や記録簿としての信頼性を高める上でも、自動保存機能は非常に役立ちます。
過去データを分析して対策を改善できる
クラウド上に蓄積された長期間の測定データは、単なる記録としてだけでなく、今後の対策を最適化するための貴重な情報源となります。過去のデータを振り返って分析することで、「どの時間帯に暑さ指数が上がりやすいか」「工場内のどのエリアで熱中症リスクが高まるか」といった傾向を具体的に把握 することができます。こうした分析結果をもとに、最も暑くなる時間帯の作業シフトを見直したり、送風機や空調設備の配置を改善したりと、翌年以降の熱中症対策に向けたPDCAサイクルを効果的に回すことが可能になります。
クラウド対応WBGT測定器の選び方
多種多様なクラウド対応WBGT測定器の中から、自社の現場環境や運用方法に最適な製品を見つけるためには、いくつかの重要なポイントを確認する必要があります。ここからは、導入前にチェックすべき選び方の基準 について解説します。
WBGTを実測するか推定するか
WBGTの測定方式には、大きく分けて「実測型」と「推定型」 の2種類が存在します。設置する環境において、日射や輻射熱の影響がどの程度あるかによって適切な方式を選ぶことが求められます。
WBGT実測型と推定型の違い
実測型(黒球式)は、黒球(黒い球状のセンサー)を用いて、太陽光や周囲の設備から受ける輻射熱を直接測定する方式 です。直射日光が当たる屋外の建設現場や、溶鉱炉・大型機械などの熱源がある工場では、この黒球式による実測型を選ぶことが推奨されます。 一方、推定型(簡易式)は、黒球を持たず、気温と湿度のデータからWBGT値を算出する方式です。こちらは輻射熱の影響が少ない屋内環境(オフィスや教室など)での使用に向いています。現場の環境に合わせて、適切な測定方式を選択してください。
屋内・屋外のどちらで使用するか
設置する場所が屋内か屋外かによって、測定器に求められる耐久性は大きく異なります。屋外や粉塵が舞う工場などで使用する場合は、防塵・防水性能を示す「IP規格」が十分な製品を選ぶ必要 があります。雨天の屋外や水しぶきのかかる現場では、内部への粉塵や水の浸入を防ぐために、IP54〜IP65以上の高い防塵・防水性能を備えたモデルを選ぶと安心です。環境に耐えうる製品を選定することが、長期的な安定稼働につながります。
通信方式と通信可能エリア
測定データをクラウドへ送信するための通信方式も、設置環境に応じて適切に選ぶ必要があります。製品によって、Wi-Fi、LTE(モバイル回線)、LPWA、Bluetooth など、対応する通信方式が異なります。例えば、Wi-Fi環境が整備されている屋内であればWi-Fi対応モデルが便利ですが、ネットワーク設備がない屋外現場や広い敷地の場合は、単独で通信できるLTE対応モデルやLPWA対応モデルが適しています。設置予定場所の電波状況や通信環境を事前に確認しておくことが重要です。
電源・電池交換・ソーラー対応
クラウド対応測定器を連続稼働させるための電源確保も忘れてはいけないポイントです。設置場所付近にコンセントがあり、専用のAC電源ケーブルを接続できる環境 であれば、電池切れの心配なく長期間監視が可能です。一方、電源の確保が難しい場所では、乾電池駆動のモデルや、バッテリー、ソーラーパネル対応のモデルを選ぶ必要があります。乾電池式の場合は、電池の交換頻度や寿命を事前に確認し、運用上の負担にならないかを考慮して選定してください。
アラート方法
WBGT値が危険な水準に達した際、どのように現場へ知らせるかも重要です。画面上の表示や管理者へのメール通知だけでなく、現場の作業員へ直接知らせるためにパトランプ(回転灯)やサイレンを鳴らす機能 を備えたモデルもあります。 さらに、一部のシステムでは、WBGTの設定値を超えた際に、本体のコンセントに接続した送風機やミスト発生機などの連動機器の電源を自動的にON/OFFする「機器連動機能」 を搭載しているものもあります。このような拡張機能を備えた製品を選べば、より自動化された熱中症対策が可能になります。
複数拠点・複数ユーザーへの対応
企業全体の安全管理を強化するためには、システムにアクセスできるユーザーの範囲も確認しましょう。現場の担当者だけでなく、本社の安全管理者など複数人が同時にクラウド上のデータへアクセスし、情報を共有できるシステム構造 かどうかがポイントです。全社的な安全衛生管理を目的に導入する場合は、複数拠点のデータを一括で閲覧・管理でき、複数のアカウントで運用可能なデータロガー型や無線通信対応モデルを選ぶことが推奨されます。
初期費用と月額費用
最後に考慮すべきはコスト面です。クラウド対応のWBGT測定器は、買い切り型の簡易的な測定器とは異なり、本体の購入費用(初期費用)に加えて、クラウドシステムの利用料や通信回線費といったランニングコストが発生する場合もあります。通信機能や高い防塵防水性能を備えた業務用モデルは初期コストが上がりますが、その分、記録の手間や現場巡回の負担を大幅に削減できます。導入にかかる費用と、自動化によって得られる運用負荷の軽減効果のバランスを十分に検討し、予算に見合った製品を選定してください。
WBGT値(暑さ指数)の計算式
WBGT値(暑さ指数)は、以下の計算式により求めることができます。
室内または日光照射のない室外…WBGT=0.7×湿球温度+0.3×黒球温度
室外(日光照射あり)…WBGT=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
なぜWBGT値が 熱中症対策で必要なのか
熱中症のリスクは、同じ気温の状況下であっても、湿度の違いによって差が出ます 。また、工場などの作業現場では、各種機械や溶鉱炉など熱源からの輻射熱によっても熱中症リスクが高まります 。 そのため、気温・湿度・輻射熱を考慮した総合的な指標 である、「WBGT値」が重要となるのです。
WBGT測定器の導入前に確認したい注意点
WBGT測定器は現場に導入・設置して終わりではありません。精度の高い正しい数値を計測できる環境を整え、その数値に基づいた実際の対策行動へ繋げるための「仕組みづくり」が必要不可欠です。ここでは、導入前に必ず確認しておきたい運用上の注意点を詳しく解説します。
設置位置や環境によって測定値が変わる
WBGT測定器(暑さ指数計)は、置く場所や地面からの高さ、風通しなどの周囲環境によって測定される数値が大きく変動 してしまいます。そのため、実態に即した正しい数値を把握するためには、適切な設置ルールの順守が欠かせません。
まず設置する高さについてですが、人の体温に直接影響しやすい高さである「地上1〜1.5m程度」 に設置することが基本となります。環境省のガイドラインにおいても、歩行者を評価する場合には地上から1.1m程度の高さを目安に測定することが推奨されています。また、地面や机の上に直接機器を置くと、下からの照り返しや熱伝導の影響を強く受けて不正確な数値になる ため、必ず三脚などを用いて空中に固定した状態で測定を行ってください。
さらに、壁などの障害物の近くは風通しや輻射熱に影響が出るため避けるべきです。屋外で使用する場合は、輻射熱を正確に測る「黒球」部分が日陰に入らないよう、しっかりと直射日光に当てる ことがポイントになります。なお、機器を新しく設置・移動させた直後は、センサーの温度が周囲の環境に馴染んでいません。値が安定するまで10分程度待ってから測定値を確認する ように心がけましょう。
服装によるWBGT値の補正が必要な場合がある
WBGT測定器の画面に表示された数値をそのまま基準にするのではなく、作業者が実際に着用している衣服の素材や形状に応じて、WBGT値の「補正」が必要になる場合 があります。
一般的な通気性のある作業服であれば表示値をそのまま評価基準として用いることができますが、化学物質や特殊な汚れを扱う現場などで単層の不透湿つなぎ服や、不透湿性エプロンなどを着用している場合、衣服内に熱がこもりやすく熱中症リスクが跳ね上がります。
このような特殊な衣服を着用して作業を行う場合は、測定されたWBGT値に特定の補正値(加算値)を上乗せして評価しなければなりません。衣服による補正を加算した後の数値が安全基準値を超えている場合は、ただちに何らかの熱中症対策を講じる必要 が出てきます。自社の服装規定や作業内容と照らし合わせ、正しいリスク評価を実施してください。
測定だけでは熱中症対策は完結しない
WBGT測定器の購入や設置は、あくまで熱中症対策の「スタート地点」に過ぎません。「数値を毎日測定して記録を残しているから安心」と思い込んでしまうのは大変危険 であり、測定だけでは熱中症対策は決して完結しません。最も重要なのは、現場の暑さを客観的な数値として把握した上で、その数値に基づいた具体的な「対策行動」に繋げること です。
衣服による補正を加味したWBGT値が、安全とされる基準値を超過してしまった場合は、速やかに作業環境や業務内容の調整を行う必要があります。厚生労働省の資料でも示されている具体的な対策としては、「身体作業強度の低い(身体への負担の少ない)作業への変更」や、「作業時間の短縮および休憩サイクルの増加」 などが挙げられます。また、作業に支障がない範囲で「より風通しの良い服装への変更」 を促すことも効果的です。日々の測定結果を作業の見直しに反映させ、安全な労働環境を維持し続ける継続的な取り組みが求められます。
通知やアラーム発生後の対応ルールを決める
多くのWBGT測定器には、設定した危険値に達した際に現場でアラート音を鳴らしたり、管理者のパソコンやスマートフォンへ異常通知を送ったりする機能が備わっています。しかし、いざアラームが鳴った際、現場で「誰が」「何を」するのかという初動対応のルール が明確に定まっていなければ、現場は混乱し、迅速に作業員を守ることはできません。
まずは、基準値を超えた場合や現場で体調不良者が出た場合の「報告体制の整備」 を徹底しましょう。誰に連絡をし、誰が作業中断の指示を出す権限を持っているのかを明確にします。同時に、「涼しい休憩場所への速やかな移動」「水分・塩分の補給と身体冷却」「必要に応じた医療機関への連絡」といった具体的な対応手順を作成 しておくことが必須です。
そして最後に最も大切なのは、作成した対応手順を現場の責任者だけで抱え込むのではなく、すべての関係作業者へ周知徹底する ことです。朝礼などで繰り返し共有し、いざという時に誰もが迷わず安全な行動をとれる体制を築くことが、本当の意味での熱中症対策となります。
まとめ:自社に適したWBGT監視システムを選ぶ
WBGTセンサ(計測器)を活用した熱中症対策は、気温だけでなく湿度や輻射熱まで含めた「暑さの度合い」を数値で把握できる点が特長 です。とくに工場や倉庫、屋外作業など、環境条件による暑さの影響が大きい現場 では、WBGT値を基準にした客観的な判断が欠かせません。
一方で、作業者個人の体調変化までは把握できないため、すべての現場に適しているとは限りません 。現場の特性や管理方法に応じて、ウェアラブルデバイスなど他の方式と比較しながら、適した熱中症対策システムを選ぶことが重要です。
当メディアではこれから熱中症対策システムを導入しようと検討しているユーザーに向けて設置環境別におすすめの製品を紹介しています。
気になる方は下記ボタンをクリックしてぜひチェックしてみてください。
WBGT機能のある 熱中症対策システムリスト
以下に、WBGT機能を備えた熱中症対策システムをいくつか紹介します。各製品の機能や特長を簡単にまとめました。
人と空間見守りセンサー
引用元:ニフコ公式サイト (https://www.landingpage-synergy.com/1Lr9Od8I/)
現場(環境)と個人両方のWBGT をリアルタイムで検知できる企業向け熱中症予防対策システムです。複数の拠点・エリアに設置したセンサーによって、各エリアが危険水準に近くなっていないかどうかをリアルタイムに把握。エリア別の、時間帯ごとの熱中症リスク分析 を行えるのも注目のポイントです。作業者ごとの個別WBGT も管理可能。
販売元:株式会社ニフコ(Nifco Inc.)
暑さつたエール
引用元:メック公式サイト (http://mecc.co.jp/iot/prevention04)
システム設置場所のWBGT値(暑さ指数)を計測し、IoT無線ユニットからLPWAを用いて、クラウドへ情報伝達。数値があらかじめ設定した指数に達した場合に、メールでの通知が行われます。電池式のため、設置場所を選びません。防塵・防水機能が搭載 されており、屋外設置が可能なのもポイントです。
販売元:株式会社メック
セコム温度監視システム
引用元:セコム公式サイト (https://www.secom.co.jp/business/saigai/temperature/)
-40℃から+70℃までの温度を24時間リアルタイム監視 し、異常を検知します。温度を測定する「温度センサー」と、現在の温度や異常発生時の状態を表示する「制御器」で構成されたシステムで、1台の制御器につき40カ所までの温度 を監視することが可能です。温度センサーと制御器は無線通信のため、配線を気にせず、さまざまな設備に設置できます。
販売元:セコム株式会社
RICOH EH 環境センサー D201/D202
引用元:RICOH公式サイト (https://www.ricoh.co.jp/products/list/ricoh-eh-environment-sensor-d201-d202)
リコーにより開発された次世代型太陽電池「RICOH EH DSSC」を搭載した環境センサーです。-30℃~60℃までの範囲で、温度・湿度・照度・気圧・内蔵リチウムイオン電池の電圧 を測定。小型サイズで設置場所を選ばないのが強みです。クラウドサービス「RICOH EH SensorCloud 2」との連携により、取得データを遠隔モニタリング できます。
販売元:株式会社リコー
AroundNow!/ AroundNow!Mobile
引用元:NSW公式サイト (https://www.m2m-cloud.jp/aroundnow/index.html)
複数のセンサーを用いたデータの取得・可視化によって、設置場所周辺の環境状態をリアルタイムで確認 することができます。WBGT値などの数値データはクラウドに連携されて、さまざまなデバイスからアクセス可能。複数のセンサー、インターネット接続機器、クラウド上の管理画面がまとめて提供されるため、煩雑な手続きは要らずすぐに利用を開始 できます。
販売元:NSW 株式会社
置くだけ熱中症監視システム (チノー)
引用元:チノー公式サイト (https://www.chino.co.jp/jp/serv/solution/detail/?did=212)
設置するだけで周辺の温度・湿度・WBGTを自動測定&記録 。警戒レベルが常時表示されます。LTE回線に対応した測定器でリアルタイムな遠隔監視 を行い、測定データを明確に表示。データは各地点・時間ごとに記録されます。予算を抑えながら導入を試せるトライアルキットも用意されています。
販売元:株式会社チノー
暑さ指数(WBGT)センサーによる熱中症アラートシステム
引用元:エイムネクスト公式サイト (https://www.aimnext.co.jp/service/wbgt-iot-service.html)
実際活動を行う場所での暑さ指数を、屋内外問わずに計測。ピンポイントな状況を把握 できます。リアルタイムに近い計測値をモニターすることができ、的確な早期判断が可能に。測定には、JIS B 7922 クラス1.5認定を受けた高精度な黒球温度計を使用しており、正確なWBGT(暑さ指数)の提供を実現しています。
機能
計測データ 気温、湿度、黒球温度、暑さ指数(WBGT)
測定範囲 [湿度センサ] ・湿度測定範囲:0%~100%RH [気温温度センサ] ・測定可能温度範囲:-20℃~60℃ [黒球温度センサ] ・測定温度範囲:-20℃~60℃ [WBGT値] ・測定温度範囲:-20℃~60℃
暑さ指数精度区分 JIS B 7922 クラス1.5
電源 センサー:内蔵電池 中継器:交流電源
センサーの連続稼働時間 3年
センサーサイズ 270×165×85(mm)
センサー重量 約750g
販売元:エイムネクスト株式会社
ezFinder BUSINESS 熱中症プラス
引用元:GISupply公式サイト (https://www.trackers.jp/products_ezf_heatstroke.html)
現場に設置したWBGT機による気象データと、作業員が装着するウェアラブルLoRaトラッカーからのデータにより、熱中症リスクをスピーディーに検知・排除 します。熱中症の発症リスクがわかりやすく色分け表示 され、管理者の適切な作業管理をサポート。
販売元:株式会社GISupply
ヒートロイド
引用元:エコモット公式サイト (https://www.ecomott.co.jp/information/2288/)
現在の暑さ指数と1時間後の予報指数 をLED表示板に同時投影。警戒値をオーバーすると、パトランプや音声ブザーの鳴動 で知らせます。予測値を表示することで、熱中症の危険性が高まる前に現場作業員の水分・塩分補給を促すことができるため、熱中症のリスク低減 を図れます。
販売元:エコモット株式会社
作業者安全支援システム
センサー設置場所のWBGT を、スマホやタブレットなどで遠距離からリアルタイムにチェック可能。数値が一定レベルを超えると、警告メールが自動配信されます。また、設置現場では警報通知メールの自動配信に加えてセンサー端末のLEDライトが点灯 。熱中症発症リスクをタイムリーに把握できます。
販売元:豊田通商株式会社
LED情報板 工場施設 熱中症指数 管理システム ワイヤレスWBGT
引用元:日本セック公式サイト (https://www.npsec.com/product/factory/wireless-wbgt/)
計測した温度・湿度データを収集して“見える化”。PCソフトにより、温度・湿度データから熱中症指数・不快指数・インフルエンザ指数 を割り出し、LED表示器や液晶モニタで表示させられます。休憩や水分補給が推奨されるタイミングをリアルタイムに知らせ、熱中症やインフルエンザの予防をサポートします。
機能
種別 小型LED表示器
表示文字寸法 H30×W20mm
可視距離 約10m
表示面 片面
販売元:日本セック株式会社