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熱中症対策に有効な暑熱順化の取り組み
熱中症対策のひとつとして現在注目されている「暑熱順化」の仕組みや取り組み方などをまとめています。
暑熱順化とは?暑さに体を慣らす仕組み
「暑熱順化(しょねつじゅんか)」とは、簡単にいうと暑さに体を慣らすことですが、熱中症対策の一つとして近年注目されています。
もし体が暑さに慣れていないと、気温・湿度が高い環境で発汗の調整を正常に行いにくく、汗をかきにくい・汗をかきすぎるという状況になります。うまく発汗できない場合には体温が上昇するため、熱中症のリスクが高まります。
対して体が暑さに慣れていると、高温多湿の環境にいる時にも汗が早く出ることで体温が安定しやすくなるため、熱中症のリスクを下げられます。
暑熱順化に必要な期間と始めると適切な時期
暑熱順化を行うには、体を暑さに慣らすような生活習慣を意識する点がポイントになってきます。例えば、シャワーのみで済ますのではなく湯船に浸かることで汗を出すようにする、といった取り組みが考えられますが、このようなトレーニングを行う場合には5〜10日ほど継続して行います。
また、暑熱順化するためのトレーニングは気温が高くなり始める初夏から梅雨あたり(6〜7月頃)が理想とされています。気温がだんだんと上がってくるこの時期に体を暑さに慣らしていくことで、無理せずに暑熱順化を進められます。
従業員の暑熱順化を管理・促進する企業の取り組み
企業における暑熱対策としては、まずは職場環境の温度を適切に保つことという点が挙げられます。ただし適した温度については作業内容や個人差を考慮しながら設定をすることが大切です。さらに、作業場においては適切な換気を行うこと、空調設備を導入することがポイントとなってくるため、大型の業務用エアコンのほか、スポットクーラーや大型の扇風機の導入などによって効率的に空間を冷却できます。また、合わせて日射や熱源からの遮蔽対策も行うようにします。
さらに、暑熱対策としてはそれぞれの従業員の服装についても注意が必要です。例えば通気性の良い作業着を支給することや、体温を下げられる冷却服等の活用も推奨されます。正しい服装と装備によって、従業員の体感温度を下げられ、熱中症のリスクを下げることに繋げられます。
ウェアラブルデバイスを活用した暑熱順化のサポートと体調管理
暑熱順化の重要性について解説を行ってきました。実際には、暑熱順化の進み方や暑さへの耐性には個人差があるため、管理者の一律なスケジュール管理や目視、作業員の自己申告のみとしている場合には、正確に状況を把握することは難しいといえます。
このような課題に対する解決策としては、「ウェアラブルデバイス」の導入が選択肢の一つです。例えば腕時計型やシャツ型のウェアラブルデバイスの場合、心拍数や皮膚温度といったバイタルデータを取得できるため、それぞれの作業員がどの程度暑熱環境に適応できているのかという点を客観的に把握ができます。
また、梅雨明けや長期休暇明けなど暑熱順化が不十分な時期に、作業員自身が自覚をする前に熱中症の初期兆候を検知し、管理者にアラートを通知する機能を持つものもあります。このように、ウェアラブルデバイスを用いることによって、暑熱順化のサポートや体調の管理につなげられます。